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新・南天通信

2006.10.8

コスモス通り

厳しい残暑がやっと終わりを告げようとしている。

ひんやりとした風を受けながら井の元川の土手を歩く。なかなか毎日は行けないが、朝の散歩はかれこれもう15年近くになる。なんてんを起点にしていくつかのコースがあるが、今朝はその井の元川コースを歩いた。

24年前なんてんのプレハブ倉庫が建った時はまだ廻りは殆ど田んぼであったが、今はびっしりと住宅が建ち並んでいてこの自治会の世帯数は400を超えている。

この住宅団地を受けるようにして流れている井の元川に蛍を取り戻そうという活動は4年前に始まった。自治会の取り組みとして年に4回ほど行われていたクリーンキャンペーン(ゴミ拾い)は、主に住宅周辺が中心であった。もちろん各グループホームも自治会に加入しているので、ホームの住人さんたちもほぼ全員が毎回参加をしてくれていた。

「井の元川に蛍を!」の活動はそのうちの一人が発した「上ばっかり拾うて、何で川の中は拾わへんのや?」という声をきっかけにして始まった。川の法面や川底のゴミ拾いから始まったその活動は、竹炭の設置や魚の放流や草刈りに広がっていった。

なんてんがこのこの阿星区で事業を始めて25年(グループホームは16年)、馴染みの住民の方も増えているということもあって、活動日の協働作業も毎回ワイワイとにぎやかに進められていく。川に入りヨシをかき分けゴミを拾う人、法面でそのゴミを受け取る人、軽トラに積み込む人、土手を歩きながら声をかける人・・・その中にグループホームの住人たちが自然に混じる。

「ほら山ちゃん、その袋おっちゃんに持ってきてーな」と声がかかり、小走りで山ちゃんが動く。互いが、住民としてごく普通に、ごく自然に、向き合い、付き合うこんな情景を見ると嬉しくなってしまう。

今年に入って、その井の元川の土手にコスモスを植えることになった。活動日の最後に、種から育てたコスモスをみんなで植えた。水やりはホームの住人さんが担当してくれた。 そして8月に入り、早咲きのコスモスがきれいに咲いた。このまま植床を毎年20mずつ増やせばちょっとしたコスモス通り・・・なんてという夢をひそかに膨らませている。

 

 

 

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